森田健シネマズについて

テレビでは科学番組がほとんどありません。
なぜなら応用科学を除いて新しい発見はほとんどないからです。
科学の進歩も科学的な冒険も止まってしまったのです。


月に行ったのは1972年が最後でした。
スペースシャトルも任務を終え、国際宇宙ステーションは400キロの高さです。
これは東京仙台間の距離で、地球をリンゴに例えるなら皮から頭を出した程度なのです。
宇宙空間と呼ぶにはあまりに低空です。


21世紀はもっと科学文明が進んでいると予想していました。
2014年5月21日の朝日新聞には「日本のSF厳しい現実」というニュース記事が組まれていました。
科学が背景にある小説が売れないのです。


それに代わったのがファンタジーです。


小説、コミック、映画等々、あらゆるジャンルがファンタジーにあふれています。
ファンタジーは自分の内面が原因で、外側の世界を作り出します。
夢を実現するというフレーズが流行していますが、まさにそれです。
歌も同様です。自分の内面を見つめる歌詞とかファンタジー系が大流行しています。
これは心理学的用語でいえば自己実現か自己拡大だと思います。


しかし歴史は四半世紀で変わります。
ファンタジーが流行しはじめてすでに四半世紀が経とうとしています。
60年代は自己変革の時代でした。それは学生運動で盛んに使われた単語でした。
70年代から自己実現と呼ばれる時代に入りました。書籍の世界でも自己実現系が店頭を飾り続けました。
ファンタジーが全盛になった今は自己拡大の時代と言えそうです。
自分の夢をより大きく拡大して実現したいのです。
夢を表現する系の映画・音楽も大変に多いです。


60年70年代になぜ自己拡大が無かったのかと言えば環境の変化が激しくて、夢を固定している暇もありませんでした。
環境変化についていくのがやっとだったからです。
夢の実現がクローズアップされる今は、環境に目がいかなくなった証拠でもあります。


いよいよ次の四半世紀に入るのですが、キーワードは自己超越※だと思います。
自己超越は自分という殻から出ることで、それによって初めて周囲に目が行き、周囲との融合が始まります。
東日本大震災直後の日本国民はこの状態でした。みんなが自主的に助け合う状態は海外から評価されました。


映画「ワンネス」の主題歌にはこんな歌詞が出てきます。
「当たり前の生活に意味などないと思っていた。自分だけを見ていたから」
自己実現や自己拡大を目指していた時代から自己超越の時代への変遷開始です。


映画「和」の主題歌「ハローCQ」には次のフレーズが出てきます。
「好奇心がスイッチオン」
自己超越は外側に対する好奇心を目覚めさせます。内面から外側へというのが自己超越の特徴です。


2015年から始まる自己超越の時代の先駆けは、「ワンネス」と「和」なのです。


森田健
※自己超越についてはアメリカの心理学者マズローも言及しています。 「マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表した。それが、「自己超越」(self-transcendence)の段階である。自己超越者 (transcenders)の特徴は「在ること」(Being)の世界についてよく知っている、「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている、統合された意識を持つ、多視点的な思考ができる。マズローによるとこのレベルに達している人は人口のまだ2%ほどである」(ウィキペディアより)